詩とファンタジー 2014年春生号 No.26 やなせたかし「わかれのごあいさつ」

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一般公募による詩とイラストレーションの投稿雑誌。詩のほうは、プロのイラストとのコラボレーションで掲載されるので、パワーアップする。ただ、気に入った詩があったというと、うーん、個人的には不作だった。そのプロのイラストの方が魅力的でしたね。いっぽう、投稿イラストはかなりクオリティが高いと思いました。もっとページ割いて欲しいところ。

特集はやなせたかし。以前「生前追悼特集」として企画されたものが震災で流れ、結果的に本当の追悼特集になってしまった。

やなせたかしさんはその作品に、正義や人生について強いメッセージを込めています。"困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、立場が変わっても国が違っても「正しいこと」には変わりません。絶対的な正義なのです"…この話を聞いて、アンパンマンを見る目が変わりましたね。また、アンパンマンの「愛と勇気だけが友達さ」という歌詞もよく話題にされますが、やなせさんの解説によると"友だちも仲間も大勢いる。友情で結ばれている。しかし、命がけで自分を犠牲にしても戦う時は自分一人、他人の協力はあてにしないということだ。"ということ。あ、この辺の話は別にこの雑誌に載ってたわけじゃないです。

掲載された詩「夕日にむかって」には、同様のメッセージが感じられます。「さみしさに負けそうなとき/にぎりこぶしをつくりなさい/げんこつで涙ふきなさい/やっつけなさい 弱いこころ/夕日にむかってさけびなさい/おまえもひとり/ぼくもひとり/そんなに紅く燃えていても/ぼくとおんなじ仲間だと」。